リクガメ飼育において「シュウ酸は良くない」ということはよく言われます。
…が、どういう仕組みで良くないんだろうと気になったので、メモがてら書いていきます。

飼い主がんばれ~
シュウ酸とは
シュウ酸は、生体内においては、アスコルビン酸、プルコール酸などの有機酸が代謝された最終代謝産物の一つとして生成されます。
シュウ酸は食品として摂取しても栄養素として利用されることは無く、便や尿中に排出されます。
電離状態のシュウ酸はカルシウムや鉄などと結合しやすく、特にカルシウムと腸の中で強く結合しシュウ酸カルシュウムとして便に排泄されますが、結合しない場合は腸管で吸収され腎臓に運ばれ尿中に排泄されます。
文系の飼い主には「代謝…?」「電離状態…?」といろいろ難しいところがありますが…🫠
- シュウ酸は栄養素として利用されず排泄される
- 体内でカルシウムや鉄などと結合しやすい
- カルシウムと結合するとシュウ酸カルシウムとして便に排泄される
この辺はなんとなく理解できそうです。
ここでリクガメ飼育で重要な役割を果たすカルシウムとの関連性が見えてきました。
シュウ酸とカルシウムの関係性
なぜなら、カルシウムは腸のなかでシュウ酸とくっついて、体内に吸収されるのを抑制することがわかったからです。
シュウ酸は、
①腸でカルシウムと結合して便になる
②結合しなかった分は体内で吸収されて腎臓に向かう
③腎臓内で余った場合は尿路結石にになる可能性がある
という段階があります。
なので人間の場合、シュウ酸が尿路結石にならないようにカルシウムを取って①の段階で外に出しちゃおう、という予防策があるようです。
しかし!
リクガメにおいては、大事なカルシウムが体内に吸収されず外に出ていってしまってはいけません。
リクガメにおけるシュウ酸の悪影響
カルシウムはリクガメの甲羅や骨を形成するためにたくさん必要です。
そのため、日頃からカルシウムを多く含む食べ物やサプリメントを与え、甲羅や骨の健康を維持することが重要です。
ここでシュウ酸について考えます。
シュウ酸は前記のとおり、腸内でカルシウムと結合して便として出ていきます。
つまり、シュウ酸がたくさんあると、その分カルシウムも一緒に便として出ていくので、シュウ酸と結合する分のカルシウムは体に吸収されません。
これではせっかくカルシウムの多い食事を心がけていても、体内で使われるカルシウムは少なくなってしまいます。
カルシウムが不足すると、最悪の場合、くる病発症、甲羅の軟化などのおそれがあります。
野菜に含まれるシュウ酸
ここで野菜に含まれるシュウ酸の量を見てみます。
| 【食品名】 | 100gあたりのシュウ酸の量(mg) |
| ほうれん草(生) | 700~770 |
| モロヘイヤ | 474 |
| レタス | 330 |
| オクラ(生)、大根菜 | 50~100 |
【出典:保蔵および調理によるモロヘイヤの成分含量の変化|三重県農業技術センター研究報告】
【出典:食品成分ランキング|シュウ酸|文部科学省】
シュウ酸は栄養として活用されないため、集計データはあまり作られないらしいです…(困)
情報によって数値もまちまちだったので、あくまでも参考として見ていただければと思います。
ただ、どこのサイトでもほうれん草のシュウ酸含有量は確実に多いということは示されていました。
また、意外にもレタスもちょっとシュウ酸が多めだということも分かりました。

レタスもオクラも好きなのに…
シュウ酸を含む食品について考える
ただ、「シュウ酸があるから絶対ダメ!」という訳でもないと思います。
シュウ酸はあくまでも「カルシウムの吸収を阻害するもの」ですから、食べたら一発で命に関わるという訳ではありません。
「長期的に主食レベルで食べ続けた場合、体内のカルシウムが不足するおそれがある」というところに注目した方が良いと考えます。
例えばモロヘイヤはβカロテンが豊富に含まれています。
βカロテンはビタミンAに変換されて作用することから、生体内では皮膚や粘膜の健康を維持したり、光刺激反応に重要な役割をしたり、様々な細胞の増殖や分化に寄与します。また、ビタミンAとしての機能以外で、βカロテンは抗酸化作用および免疫賦活作用などがあることが報告されています。
確かにシュウ酸は多く含まれているものの、βカロテンによる大きなメリットも受けられます。
(よかったらこちらも合わせてどうぞ→モロヘイヤ考察)
なので、一概に「シュウ酸はNG」とするのではなく、その食品が持つメリットと比較して、食事メニューに取り入れるかどうか、そしてその分量を検討していくことが大切だと思います。

レタスもオクラも禁止にならなくてよかった~
まとめ
今回はシュウ酸についての検討をしました。
カルシウムの吸収を阻害するので控えた方がいいものの、その食品が持つメリットと比較していくことが大切です。
シュウ酸だけではなく他の要素についてもこれからも考えていきたいものです。



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